塩澤 航太 Shiozawa Kota


塩澤 航太塩澤 航太

研究のキーワード

機械学習、非線形システム、時系列データ解析

これまでの卒業研究例
  • リザバーコンピュータを用いたカオス時系列予測
  • マルチタスク学習を用いた分岐図の再構成
  • アジョイント法を用いた非線形システムの状態推定

 研究室紹介

私は機械学習を非線形システムの解析に応用する研究を行なっています。機械学習というと、多くの人はディープラーニングを思い浮かべるかもしれません。しかし、私はリザバーコンピュータと呼ばれる軽量の機械学習モデルを主に使用しています。リザバーコンピュータはディープラーニングと比較して計算が高速であるという利点があります。汎用性こそディープラーニングに劣りますが、一部のタスクではディープラーニングに匹敵する性能を発揮します。このモデルを非線形システムの解析に応用しています。

非線形システムとは、入力と出力の関係が単純でなく、小さな変化が大きな影響を与えることがあるシステムです。例えば、生物や大気は代表的な非線形システムです。非線形システムではカオスや同期現象など興味深い現象が起こります。カオスとは、予測が難しい現象のことで、天気の変化や心臓の鼓動など身近なところにも存在します。歩行ロボットでもカオスが発生することが知られており、工学的にも重要です。同期現象は、バラバラに動いていた複数のシステムが、相互作用によって同じリズムで動くようになる現象のことです。アジア蛍の集団による同期した発光は、同期現象の一例としてよく知られています。

非線形システムは多様な振る舞いを示しますが、それを理論的に解析するのは非常に難しいことが知られています。そこで私は、これらの現象を解析するために機械学習を使用しています。機械学習を用いて非線形システムから重要な情報を取り出すことで、予測や制御に役立てることができます。本研究によって得られる成果は、天気予報の精度の改善やロボットの設計にも応用できるのではないかと考えています。