星野 直彦 Hoshino Naohiko

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研究のキーワード

プログラムの検証、プログラムの間の等価性、プログラム意味論 型システム

これまでの卒業研究例
  • クイックソート視覚化による再帰処理の理解の補助
  • 無限大を含む計算可能性
  • アルゴリズムの理解を助けるアニメーションの作成
  • 配列操作におけるセンシティビティ
  • プログラムのsensitivityと浮動小数点数

研究室の紹介

私の「どのようなことは計算できて、どのようなことは計算できないのだろう?」をテーマにプログラムの研究をしています。つまり、私の研究ではプログラムを使って何かをすることが研究のテーマなのではなく、プログラムたちがもつ性質を調べることが研究のテーマです。情報科学といってもプログラムを使って何かをする研究ばかりではなく、私のようにプログラムたちを研究対象としている研究もたくさんあります。卒業研究では学部の3年間で学んできたプログラムたち全体を、ちょっと大きな視点で見つめ直すようなテーマに取り組んでもらいたいと考えています。

最初に挙げた二つの問いについてはプログラムたちが正しく動作するかを調べる上で重要なテーマなのですが、もう少し具体的に、なぜこのような問いを考えるのかを説明してみます。大規模なプログラムを作る場合、しばしば小さなプログラムを部品として繋ぎ合わせるという方法がとられます。この方法のメリットとして、例えば、部品(プログラム)をより効率的に動作する部品に変更するだけでプログラム全体の改善が可能になることが挙げられます。しかし、部品の変更によってプログラム全体が誤作動することはないでしょうか?実は、「どのようなことは計算できて、どのようなことは計算できないのだろう?」という問いは、この問題に関連します。というのも、部品の交換によって誤作動が発生するかという問題は、部品の交換を検出するプログラムが存在するかという問題として捉えられるからです。

「どのようなことは計算できて、どのようなことは計算できないのだろう?」という問いは情報科学における理論的な研究で昔から考えられてる問題のひとつですが、このように実際のプログラミングの場面でも重要な問題として現れます。また、実はこの問いには論理学や、圏論と呼ばれる数学の一分野とも関連があり、色々なアイデアが混ざり合う面白さがあります。

 ホームページ

http://www.cis.sojo-u.ac.jp/~nhoshino/