池田 晃裕
研究のキーワード
レーザドーピング,SiC,pnダイオード,プラズマ改質,PTFE
これまでの卒業研究例
- レーザを用いたSiCへの不純物ドーピングに関する研究.
- プラズマ改質されたPTFE上への銀ペースト配線の形成.
研究室紹介
池田研究室では,CO2レーザを用いたSiCへの不純物ドーピングの研究を行っています.半導体をデバイスとして使用するには,不純物元素をドーピングして局所的にp型,n型領域を形成する必要があります.SiCはSiよりも絶縁破壊電界が10倍程度大きく,それに伴い理論的にはデバイスのオン抵抗(損失)をSiの1/1000に低減できます.このことからSiCは次世代のパワー半導体として期待されていますが,一方でデバイスの製造コストが高いことが普及の妨げとなっています.SiCの製造コストが高くなる大きな要因として,不純物ドーピングに時間がかかることが挙げられます.現状のイオン注入法では,不純物イオンの加速度や注入量を変えて複数回のドーピングを行う必要があり,2~3日間のプロセス時間が必要となっています.我々はレーザを用いることで半日程度の短時間でドーピングを行う技術の研究を行っています.CO2レーザの装置メーカと共同研究を行っており,レーザ装置の提供をして頂いています.
またその他に,Arプラズマ改質を用いたPTFE(テフロン)の密着性向上や,プラズマ改質PTFE上への銀ペースト配線の形成についても研究も行っています.これまで用いられてきたFR-4やポリイミドなど電子回路の基板に比べてPTFEは誘電損失が少なく,高周波の5G用の実装基材として期待されています.