西嶋 仁浩 Nishijima Kimihiro


photo2 thumb 160xauto 20138西嶋 仁浩

学位

博士(工学)

所属
  • 情報学科 

GAFAやソニーも狙う未来とは?
~電気自動車やドローン、クリーンエネルギー、そして宇宙へ

 100年前…スペイン風邪の流行とともに、人々は馬車から自動車へのイノベーションを経験しました。それから100年後…新型コロナウイルスを経験した私達は、どんな未来に向かっていくのでしょうか?

 Google,Apple,Amazon,SONYは今、電気自動車やドローンの開発に取り組み始めています。

 例えば、Amazonの創始者であるジェフ・ベゾス氏は、1兆円の資材を投じて環境ビジネスに取り組んでいます。インターネット決済のパイオニアPayPalの創始者であるイーロン・マスク氏は、電気自動車やクリーンエネルギー事業のテスラモーターズを創業し、トヨタ自動車の時価総額を超えるまでに成長しました。世界1位・2位の資産家である両氏は2021年に民間宇宙旅行も成功させていますが、将来的には宇宙資源の獲得も狙っています。

 情報化で世界を変えた人々は、『モビリティー社会』『環境エネルギー問題』『宇宙』という新しいビジネスのパイオニアになろうとしているのです。

SFのような近未来 ~20XX年 それでも僕らの街にエネルギーは活きている

 西嶋研究室が実現しようとしている近未来を一緒に想像してみましょう・・・

 20XX年、ある街は災害により大きな被害を受けた。けれど、あまり不自由はないらしい。避難所には、「レストラン」「コンビニ」「病院」などのサービスを提供する自動運転車が集まっている。電力は車に搭載した太陽電池から供給されているようだ。さっきまで被災地に物資を運んでいたドローンは、ワイヤレス充電器の上で防災防犯活動を続けている。テントに貼られた配電シートにはプロジェクター型照明やスピーカーが取り付けられていて、現在の被害状況を伝えてくれている。被災者は、洋服に内蔵されたデジタルアンプから大好きな音楽を流し、IHクッキングヒーターで温めた珈琲で心を落ち着かせた。今も街は停電したままだけれど、避難所の電源は、電気自動車のバッテリーから供給されているので心配はいらない。

 僕が崇城大学で学んでいるエネルギーエレクトロニクス技術は、血液を効率よく送る心臓のように身の回りの機器を動かしてくれている・・・西嶋研究室では、こんな未来のテクノロジーを共同研究企業と創造しています。

image001

電気の『心臓』を作る~エネルギーエレクトロニクスとは?

 私の研究は『電気の心臓』を作ることです!と話してもピンとこないかもしれませんが、私たちの体が『心臓』から血液をもらっているように、電気製品は『電源』と呼ばれる電子回路からエネルギーをもらって動作しています。エネルギーエレクトロニクスとは、それぞれの機器に最適なエネルギーを効率よく供給する研究です。

image002

 『電気自動車のモーターを回す』『ロボットの関節を動かす』『スピーカーから音楽を鳴らす』『IHクッキングヒーターでフライパンを温める』『太陽電池や風車から発電する』『照明を光らせる』『スマホや電気自動車を充電する』『ゲーム機やパソコンの頭脳(CPU)を動かす』『ドローンや宇宙衛星を推進させる』など、電気エネルギーを変換して、色々なものを動かすために必要な基盤技術です。

image003

 エネルギーエレクトロニクスの仕事は料理のシェフに似ています。シェフが、誰のために、どんな料理を、どんな食材を使って、どんなレシピで作るのか・・・を考えるように、世の中が求めているものに対して新しいアイディアを考えて、最適な電子部品を選んで設計し、実際に電子回路を作って評価します。

 卒研生や大学院生は、エネルギーエレクトロニクス研究所の中で、今までにない新しいものを生み出すために研究を頑張っています。

 

image004.png
image005

 

日本や世界のトップ企業と一緒に共同研究をしませんか?

 西嶋研究室では、日産自動車やパナソニックのように皆さんのよく知っている会社を含めて、世界や日本のトップ企業と数多くの共同研究を推進しています。学生さんも研究プロジェクトの一員として活躍しているんですよ。

電気自動車の先駆者として世界累計50万台を販売した日産自動車㈱さんとは、電気自動車に搭載する太陽光発電システムの研究を進めています。太陽電池で、どれくらい走れると思いますか?1日の充電で30km~40km走れるので、通勤通学やちょっとした買い物なら、コンセントから充電しなくても走行できる距離です。車で発電した電気は、家で使うこともできますし、災害時の非常用電源としても利用できます。

image006

パナソニック㈱さんとは、エジソンがいた100年前から続く交流の電源コンセントからの脱却を目指しています。プロジェクションマッピングで空間を演出したり、カメラやスピーカーでお年寄りや子供の手助けをしたり・・・様々な電子機器がインターネットに繋がるIoT社会の実現を目指して、次世代の屋内配電システムの研究を進めています。

そのほかにも、『電気自動車のワイヤレス充電システム』『電気自動車のバッテリーの再利用』『データセンターの省エネ化』など、エネルギー技術によって、暮らしを持続可能で豊かな社会にするために数多くの企業と共同研究を推進しています。

image007

西嶋研究室の研究紹介

 

1年生から研究できる『エネクラスサークル』

image008.png
エネクラスサークルの紹介

 早くから実践的な研究がやりたい!という学生さんに対しては、『エネクラスサークル(エネルギーと暮らしをデザインするサークル)』という1年生からでも研究ができる場を作っていいます。ワイヤレス充電によってドローンを無人化する研究では、ビジネスプランコンテスト2021においてNICT特別賞(国立研究開発法人情報通信研究機構)を受賞し、起業家甲子園への挑戦権を獲得しました。

 また、このサークルでは、企業の研究者などに体験談を交えて仕事のやりがいなどを話してもらっています(『パナソニック』『マツダ自動車』の崇城大学OBやJAXA(宇宙航空研究開発機構)など)。

就職最強!有名企業400社や給料が2倍の会社に入れるのはなぜ?

 西嶋研究室の卒研生や大学院生は、企業の技術者と交流を持ちながら社会が求める実践的な技術を身に着けています。これまで私の研究室で学んだ学生さんは東証一部上場企業や有名銘柄400社に就職し、偏差値トップクラスの大学の卒業生と肩を並べて働いています。平均給与は熊本の平均給与の約2倍です。有名銘柄400社への実就職率は、一般的な国立大学では10%程度、旧帝大でも24~32%程しか入れない狭き門です(https://univ-online.com/article/career/16936/)。

『どこで学ぶか?』よりも『誰に学ぶか?』が重要な時代になった証です。

西嶋研究室の就職実績

image009

 夢ナビ

スマホに蓄えられるエネルギーは何カロリー? 電気製品の心臓を作る
スマホは省エネ?

iPhoneの電池に蓄えられるエネルギーをカロリーに換算すると、ノンシュガーあめと同じくらいの約10kcalしかありません。あめ1粒のエネルギーで人間が1日中動くのは難しいでしょう。しかしスマートフォンは写真を撮ったり動画を見たりと、さまざまな機能を長時間使用できます。小さな電池に大量の電気を蓄えることは難しいため、電気製品を開発するときは少ないエネルギーを効率よく供給する仕組みが必要です。

ynweb logo.47290613